日常にアートを

日々忙しくしていると、日常的にアートに触れる機会がなかなか持てないことも。衣食住に直接関わること以外は、つい後回しにしてしまいがちです。そんなとき、いつも食事をし、お茶をいただく喫茶店などでアートに触れる機会があるといいのではないでしょうか。

成城のとなり駅の祖師ケ谷大蔵には、そんな時間を与えてくれる喫茶店があります。その名も「珈琲屋・それいゆ」。それいゆは、フランス語で“太陽”という意味。昔から地域の人々に愛されている、今で言う昭和レトロ風の喫茶店です。

階段を昇ると牛とカエルがお出迎え

店内でゆっくりと落とす水出しコーヒーは奥深い味わい。さわやかな酸味が印象的です。

一滴ずつ、ゆるやかに落とされる水出しコーヒー

ハンバーグやウィンナー、キャベツ&スパのサラダ、ジャガイモ、そして目玉焼きなどがお皿いっぱいに盛り付けられた「ラッシュアワー」が人気のメニュー。スパイシーなカレーソースが小気味のいいアクセントになっています。

ほかにも、三角のプレートに盛り付けられたサンドイッチ、カレー、グラタンや、パフェやシェイク、珈琲にも合うチーズケーキなどと、メニューも豊富。

長年、店を営むやさしいマスターや、明るく接客するママさんやスタッフさんたちの笑顔が、料理たちのように温かいのです。

このそれいゆの一角にアートギャラリースペースがあります。四段ほどの貸し棚ですが、約2か月に1度、展示が変わり、お客さんたちを楽しませくれています。ギャラリースペースを運営・管理をするのは、岩川アトリエ建築事務所の岩川卓也さん。

落ち着いたギャラリーを運営して22年の岩川さん

「大学時代からここ祖師ヶ谷大蔵に住んでいて、それいゆさんによく通っていたんです。自分の建築事務所もこの商店街の近くにありました。それいゆさんは以前、駅前のビル(今は駅前広場になっている)に入っていたのですが、2004年にこちらのビルに移ることに決まった際に、新しい店舗の設計を依頼していただきました。そのときにギャラリー用の貸し棚を作らせていただきたいと提案したんです。

そうしたら、『運営とかきちんとやってくれるならいいよ』というご快諾をいただけて…。ギャラリーはもう22年ほど続いて、いろいろな作家さんたちの発表の場となっています」

現在は郷里の静岡に戻り事務所も移転した岩川さんですが、各作家の展示品の搬入・搬出日には、必ず駆け付け立ち会うといのこと。

日常に溶け込むアートスペース

「喫茶店内のギャラリーなので、搬入・搬出時も含めて、出展者さんには、必ず1オーダーはしてもらうようにしています。このスペースは、それいゆさんのご厚意により、無料で貸していただいているので、みなさんにはご理解いただいています」

今までの展示作品には、アクセサリーや写真、絵画、陶芸など、さまざまなものがあるとのこと。

作家さんと話す岩川さんの目は少年のように輝いています。自身が造作した展示棚をきれいに拭く姿からは、この空間とそれいゆの人々やクリエーターさんたちとの繋がりを大切にする姿勢が感じられます。

現在は、「燦々と ガラスとリトグラフ」を9月26日(土)まで開催中。

「コーヒーをのみながら作品を眺めているうちに、愛着がわいてしまって…」と話すのは、購入客のおひとり。今回のガラス作品は手作りの一点ものが多いので、逃したくなかったとのこと。まさに一期一会の出会い。

ガラス展の作品「風の音」

日常シーンで気軽に行ける喫茶店で、おいしいコーヒーや食事をとりながら、アートに親しめるのは至福のひととき。みなさんも、目にもお腹にも楽しいときを味わってみてはいかがでしょうか。

■珈琲屋・それいゆ ギャラリー
〒157-0072
東京都世田谷区祖師谷3-32-15‐2F「それいゆ」内
アクセス:小田急線 祖師ヶ谷大蔵駅前1分

※ギャラリーに関するお問い合わせは以下に。

■ギャラリー運営
岩川アトリエ一級建築士事務所
mail:takuya@iwakawa.net 

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